2015Nov25
痛くない!怖くない!帝王切開はメリットの宝庫!?

妊婦のみなさんご存知ですか? 日本では自然分娩を推奨する一方で「帝王切開」の出産も増えているのですよ。その背景には高齢出産の増加や帝王切開の安全性があがってきたと思われます。帝王切開は手術となるので怖いイメージがありますがママやお腹の赤ちゃんを守ってくれる出産方法なのです。今回は帝王切開についての不安を払拭できるように徹底検証します。

帝王切開メイン

●帝王切開って何?

経膣分娩(自然分娩)より帝王切開が適していると判断された場合にお腹を切開して子宮から直接赤ちゃんを取り出す方法。麻酔を使用するので手術扱いとなります。

●帝王切開の種類は?

(1)予定帝王切開
経膣分娩が難しいなと判断された場合に、事前に手術日を決めて行われるが予定帝王切開です。出産予定日に近い実施日だと通常の陣痛がきてしまう恐れもあったり逆に早いと赤ちゃんのリスクも高まるので出産予定日から2週間ほど前倒しした妊娠38週に予定帝王切開を組むことが多いです。

では、具体的に予定帝王切開になるケースをみておきましょう!
■逆子(さかご)
文字そのまま!お腹の中で赤ちゃんのお尻や足が下を向いている状態です。通常出産が妊娠後期になると一番重い頭が下に向いた状態になり、自然分娩時の出産時には頭から先にでてきます。よくドラマの出産シーンで頭から赤ちゃんが出てきて「オギャー」と泣くのを見たことがあると思いますが、そのケースです。

逆子だと足からでてくることになるので、へその緒などが赤ちゃんの頭と産道にはさまれて赤ちゃんへ十分な酸素が伝わらない恐れがあります。 なので赤ちゃんが無事に生まれることを優先して帝王切開になる確率が高いのです。なお逆子体操などで逆子が治る事もありますよ。

■多胎妊娠(たたいにんしん)
双子や三つ子またはそれ以上を妊娠している場合です。多胎妊娠のママは切迫早産や妊娠高血圧症候群になる可能性が高くなり、ママや赤ちゃんへの負担を少なくするために帝王切開が選ばれることがあります。ただ自然分娩をしている病院もありますのでママや赤ちゃんの状況などで選択する病院が多いようです。

双子

■児頭骨盤不均衡(じとう こつばんふきんこう)
胎児の頭とママの骨盤の大きさが釣り合っていないために、骨盤を通過することが難しく経膣分娩ができない場合です。

■子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)
子宮筋腫は、子宮にできる良性の腫瘍(コブ)のことです。この腫瘍が小さい場合は経膣分娩で問題なく出産ができますが、筋腫の位置や大きさによって、産道をふさいでしまう筋腫の場合は帝王切開になるケースがあります。

■前回帝王切開(ぜんかいていおうせっかい)
前回の分娩が帝王切開だった場合のことをいいます。
以前に帝王切開をしている人が、経腟分娩をした時に子宮を切ったところが薄くなってそこから子宮が裂けることがあるということです。これを子宮破裂といいます。その危険性を軽減するために2回目以降も帝王切開での出産を選択することが多くなります。

なお帝王切開を経験した人が次に経腟分娩をすることを「Vaginal Birth Aftaer Cesarean」=「VBAC」といいます。妊婦さんが希望すればVBACを応援してくれる病院もあります。

■高齢出産(こうれいしゅっさん)
最近では女性の晩婚化の影響で35歳を過ぎてからの高齢出産が増加しています。そのため自然分娩に耐える体力がない人や赤ちゃんに負担がかからない安心・安全なお産をしたいというママが希望するパターンがあります。

(2)緊急帝王切開
分娩前や分娩中に何らかのママや胎児にトラブルが起こった場合に緊急に帝王切開を行うこと。

具体的に緊急帝王切開になるケースをみておきましょう!

■胎児機能不全(たいじきおうふぜん)
赤ちゃんの循環機能や呼吸にトラブルが起こり酸素が赤ちゃんに届きにくくなり、低酸素状態が継続して赤ちゃんが弱っていってしまう状態のことです。胎児機能不全は胎児がお腹の中にいる時に起こりますのでお産の状態によっては緊急帝王切開になる場合があります。

■常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうき はくり)
常位胎盤早期剥離は何らかの原因で赤ちゃんが生まれるに胎盤がはがれてしまうこと。
重度になってしまうと緊急に赤ちゃんを取り出してあげることが必要となってくるため超緊急帝王切開となることが多いです。

■妊娠高血圧症候群 (にんしんこうけつあつしょうこうぐん)
以前は『妊娠中毒症』と言われていた症状です。現在は産婦人科学会により『妊娠高血圧症候群』と改められました。
妊娠20週以降で分娩後12週まで血圧の上昇、または、高血圧に蛋白尿(にょうたんぱく)を含む場合のいずれかで、かつこれらの症状が単なる妊娠の偶発合併症によるものではないものをいいます。妊娠高血圧症候群が重症になってくると分娩時にママと赤ちゃんの危険がともなう場合があるので、経膣分娩が無理と判断された場合は帝王切開になります。

■微弱陣痛(びじゃくじんつう)
陣痛がなかなか強くならず子宮口が開かないので分娩までに到達できない状態です。陣痛がくるように陣痛促進剤を使用し陣痛を強化したりしますが、体の疲労が蓄積し、分娩が順調に完了する可能性が低くなってしまう時は緊急帝王切開になることがあります。

■回旋異常(かいせんいじょう)
赤ちゃんは狭い産道にあわせて体の向きを変えながら通常下りてくるのですが、この下りてくる流れがうまくいかない状態をいいます。この場合はお産に時間がかかることが予想されるため胎児に負担がかかり緊急帝王切開になることがあります。

■前期破水
通常、陣痛が始まってから破水がきますが、陣痛が前に破水してしまうことが「前期破水」です。前期破水は陣痛が起きていないにも拘わらず破水しているため分娩につながらない可能性が高いです。しかし、破水したということは赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れて、中の羊水が外へ流れ出ることなので子宮内が感染するの危険性もあり早急に病院にいく必要があります。

■遷延分娩(せんえんぶんべん)
個人差はありますが、規則的な陣痛が来てから赤ちゃんを娩出するまでの時間は、初めての妊婦さんで12~15時間、2度目以降の人で6~8時間くらいと言われています。初めての妊婦さんで30時間以上、2度目以降の妊婦さんで15時間以上かかっても生まれないことを「遷延分娩」といいます。

原因としては先述の「微弱陣痛」、「回旋異常」などの理由で分娩がスムーズに進まず時間がかかってしまう場合に緊急帝王切開になることがあります。

最近の帝王切開の理由の内訳は、というと。
——-
1.既往帝王切開<VBAC>(35%)

2.さかご       (14%)

3.児頭骨盤不均衡   (13%)

4.胎児モニターの異常 (13%)

5.多胎妊娠      (7%)

6.子宮手術の既往   (3%)

7.その他
——-
やっぱり最初に帝王切開をするとそれ以降も帝王切開になる割合が高いことがわかります。

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●帝王切開のメリット

今までの説明を読んでると帝王切開=怖い、危険、というイメージが強くなっていませんか? もちろんメリットもあるので帝王切開のネガティブイメージをクリアにしていきましょう!

★赤ちゃんに対して安全性が高い
経膣分娩で起こりうる事を回避することができるため、帝王切開で赤ちゃんに危険が及ぶことはまずありません。

★自然分娩のような陣痛の傷みがない・精神的負担が少ない
陣痛がないので精神的な負担を軽減できます。帝王切開の手術自体の時間も自然分娩とちがって短時間で完結されます。大体2時間以内で終わるようです。

★予定帝王切開の場合は予定日に出産することができる
日程がわかっているので働いているママはすべてにおいて前もって準備をすることが可能です。他にもパパが仕事をお休みして病院にこれるので調整しやすく、何より出産日が決まっているので心の準備をしながら出産にいどめます。

★医療保険を使える
帝王切開は「手術」ですので、生命保険に入っている人は手術費用、入院時の費用、などが支給されます。

●帝王切開のデメリット

★入院日数が長くなる
術後は数日、ベットで寝たままで食事はとれず、数日かけて普通食にかわっていきます。そのため自然分娩に比べて産後の入院日数が4、5日ほど長くなってしまいます。あと寝たままの時はおトイレにもいけないので尿道カテーテルをつけることになります。

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★出産費用が高い
入院日数が長い&手術費用もかかっているので出産費用は高くなります。ただ、帝王切開は保険適応となるので「高額療養費」の対象となり、申請をすれば費用が戻ってきます。さらに帝王切開は「手術」ですので、生命保険に入っている人は医療保険を使えて手術費用、入院時の費用、などが支給されます。人によっては黒字!になる場合もあるので、デメリットにはならないですかね?

★傷跡が残る
お母さんのお腹を切って赤ちゃんを取り出しますので傷跡が残ります。あと体質によって傷跡がかゆくなったりする人もいるようです。ただ、傷跡については個人差がありますが、びっくりするほどの傷あとではないので「お産の勲章」と思って気にしないようにしましょう。

●帝王切開の麻酔の痛みは?

帝王切開を受けるときはお腹を切りますので、麻酔が必要になってきます。初めて麻酔を受ける人にとっては不安になりますよね。
麻酔の種類は「局部麻酔」と「全身麻酔」です。一般的には「局部麻酔」が多く用いられていますが、緊急の場合などはやむを得ず全身麻酔を行う場合もあります。

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それでは、細かく麻酔について解説していきましょう。

部分麻酔 全身麻酔
麻酔方法 背中にある神経の束の近くに薬を打ちます(これがとても痛いという人も多いです(汗)。胸から足先までの痛みの感覚がなくなります。 酸素マスクを顔にあてて酸素を吸いこみます。点滴から薬が入るとすぐに眠くなってきて意識がなくなります。眠りに落ちた後に口から管をいれます。
ママへの影響 意識があるので赤ちゃんの産声は聞こえる
呼吸への影響が少ない
意識はなく、眠っている状態
呼吸の補助が必要
赤ちゃんへの影響 ほとんどない 眠くなる
麻酔の効果 少しの間 あっという間
副作用 足の力が入らない、低血圧、残尿感、はきけ 赤ちゃんの眠気、肺炎

●世界の帝王切開事情

日本でも帝王切開で出産する割合は19%と年々増加傾向にあります。しかし!上には上の国があるのです!それが中国こと中華人民共和国!
割合は46%と爆発的に高く中国では帝王切開がポピュラーな出産方法だといえるでしょう。しかも一部地域では70~80%に上るというから驚きです!

1985年のWHO勧告以降、適正な帝王切開の割合は全出産の10~15%とされてきますが、WHO統計によれば、日本約16%、アメリカ約30%、韓国とブラジルは40%・・・となってます。

帝王切開の割合が高いのは単に予定帝王切開を望んでる人だけではなさそうです。お国が違えば事情も違う、ということでいろいろな国の帝王切開事情を紹介していきましょう!
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★中国
【背景】
妊婦は2人分の栄養を取らないといけないと考える人が多く、また妊娠についての教育や情報が不足しているために太った妊婦さんが増加!そのため太った妊婦さんが多く出産時の赤ちゃんの体重が4000グラム超え(本当に?!)の巨大児が誕生してしまうとのこと。そのため帝王切開が必要となってくるのです。

【対策】
もっと妊婦に教育をして問題をクリアにしたいらしいけど中国国内の「妊婦学校」が激混みで専門知識を持った人材が不足状態だそうです。さすがに人口数が半端ないので何をするにも大変そうですね。
★ブラジル
【背景】
自然分娩の痛みやダメージが長期にわたってセックスへ及ぼす影響を心配する妊婦さんも多く(情熱的!)、また高額な医療費を得たいと思われるお医者さんのアドバイスにより帝王切開を選ぶ女性が多いとか。

【対策】
予想以上の割合に高さに政府が危機感を感じて医師に規制をだしたり、医師の承認がないと帝王切開ができないように強化するなど新たな取り組みをしているもよう。

★アメリカ
【背景】
うそのようなホントの話ですが、アメリカの3大休日といわれている・独立記念日・感謝祭・クリスマスに生まれる赤ちゃんはダントツ少ないそうです。理由としては家族と過ごす大事な休日に自然分娩や緊急手術で大切な休日を邪魔されたくない医師と、休日の参加する医療人員の確保をあまりしたくない医療機関側の事情があるようです。また忙しい医師にとって、いつ生まれるかわからない自然分娩より予定がたつ帝王切開の方が都合がよく効率がいいらしいとか。なんかすっかりビジネス化していて、医療ドラマをみているようですね。

あと、フルタイムで働くカップルを中心に、計画的な帝王切開のことを「スケジュール出産」といって広がっているんですって。

【対策】
研究者たちは、医師などの医療者に対して医学的に必要のない帝王切開は避けるべきだと発信していく方向とのこと。
続きは追ってアップしていきますね。お待ちください!

・帝王切開での分娩の流れ
・関西は縦切り、関東は横切りが主流

などなど

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