- 2024-11-15
世の中には素晴らしい文学作品がたくさんあります。多くの人に読み継がれてきた名作から、名づけを考えてみるのはいかがでしょうか?
大昔の話になりますが、昭和初期、実際に小説からの名づけブームがあったそうです。その名前は「菜穂子(なほこ)」。数年前にジブリが映画化した、堀辰雄の「風立ちぬ」のヒロインです。
今回は古いものから最近のものまで、名作文学作品の登場人物の名前を紹介していきます。ぜひご参考ください!
文豪から
まずは国語や歴史の教科書に出てくるような文豪の作品からご紹介していきましょう。
明治や昭和の作品なので当然ではありますが、少し古いかなと思う名前が多いかもしれません。古風な名前をつけたいと思う方におすすめです!
文豪の名作から
■宮沢賢治
・又三郎(またさぶろう)「風の又三郎」から
■三島由紀夫
- 新治(しんじ) 「潮騒」から
- 初江(はつえ) 「潮騒」から
- 清顕(きよあき)「豊饒の海」から
- 聡子(さとこ)「豊饒の海」から
■夏目漱石
- 那美(なみ)「草枕」から
- 三四郎(さんしろう)「三四郎」から
- 美禰子(みねこ)「三四郎」から
■川端康成
- 駒子(こまこ)「雪国」から
- 葉子(ようこ)「雪国」から
■江戸川乱歩
・小五郎(こごろう)「怪人二十面相シリーズ」などから
■尾崎紅葉
・寛一(かんいち)「金色夜叉」から
■樋口一葉
- 美登利(みどり)「たけくらべ」から
- 信如(しんにょ)「たけくらべ」から
森鴎外の名付けは今風?
余談になりますが、名づけといって忘れてはならないのが、「舞姫」「高瀬舟」などで知られる森鴎外。
ドイツでの生活が長かった鴎外は、子どもたちにもドイツ名にちなんだユニークな名前を与えています。長男・於菟(おと)、長女・茉莉(まり)、次女・杏奴(あんぬ)、次男・不律(ふりつ)、三男・類(るい)…。
現代人にも通じる感覚を100年以上前から持っていたとは、さすがですよね。
ちなみに孫にあたる長男の子どもたちも、真章(まくす)、富(とむ)、礼於(れお)、樊須(はんす)、常治(じょうじ)と欧米風の名前が徹底されています。
現代の作家から
さて、もう少し最近に目を向けて、今でもご健在な作家の作品を見てみましょう。
時代の傾向もあってか、ユニセックスな名前も多いので、男女どちらでも応用できそうです。
■村上春樹
- 直子(なおこ)「ノルウェイの森」から
- 緑(みどり)「ノルウェイの森」から
- ハツミ「ノルウェイの森」から
- カフカ「海辺のカフカ」から
- 天吾(てんご)「IQ84」から
■東野圭吾
- 亮司(りょうじ)「白夜行」から
- 雪穂(ゆきほ)「白夜行」から
- 藻奈美(もなみ)「秘密」から
- 学(まなぶ)「ガリレオ」シリーズから
- 薫(かおる)「ガリレオ」シリーズから
■伊坂幸太郎
- 泉水(いずみ)「重力ピエロ」から
- (はる)「重力ピエロ」から
- 雅春(まさはる)「ゴールデンスランバー」から
- 森吾(しんご)「ゴールデンスランバー」から
■江國香織
- 笑子(しょうこ)「きらきらひかる」から
- 睦月(むつき)「きらきらひかる」から
- 紺(こん)「きらきらひかる」から
- 詩史(しふみ)「東京タワー」から
- 透(とおる)「東京タワー」から
■角田光代
- 絵里子(えりこ)「空中庭園」から
- マナ「空中庭園」から
- 小夜子(さよこ)「対岸の彼女」から
- 葵(あおい)「対岸の彼女」から
- 希和子(きわこ)「八日目の蝉」から
- 薫(かおる)「八日目の蝉」から
- 恵理菜(えりな)「八日目の蝉」から
海外作品から
日本の作品だけでなく、海外文学にも素敵な作品はたくさんありますよね。その中でも、日本語としてもつけやすい名前をいくつか紹介します。
■「モモ」
子どもの頃にわくわくしながら読んだミヒャエル・エンデの「モモ」から。
- もも
- モモ
- 桃
■「赤毛のアン」
- 杏(あん)
- 安(あん)
多くの少女を魅了した「赤毛のアン」シリーズから主人公の「アン」の名前を。盟友のダイアナが好きな方は「乃奈(だいな)」なんて名前はいかがでしょうか。
シェイクスピアの名作戯曲「ロミオとジュリエット」の主人公2人は、呂未雄(ろみお)、樹理恵(じゅりえ)などと名付けることができます。
まとめ
素晴らしい物語を生み出す作家は、登場名前の人物にも非常に素敵な名前をつけるもの。
名づけのヒントは本当にたくさんあると思いますが、一点だけご注意を。
どんなに素敵な名前でも、ストーリーの中であまりいい描き方をされていなかったり、不幸になったりしていないかのチェックはしっかり行いましょう。
やはり一番は、大好きな作品の大好きな登場人物から頂戴すること。とっておきの名前を赤ちゃんに授けたいものですね。